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絓秀実コレクション2 二重の闘争──差別/ナショナリズム/1968年

5,500円

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思想や哲学、芸術など諸ジャンルを横断し、斬新な論考を多数発表してきた稀代の批評家、絓秀実。三島由紀夫や花田清輝らに関する初期文学論から、1968年をめぐる社会運動・政治思想論、さらには映画、歌謡曲、B級グルメなどの風俗エッセイまで、これまで絓秀実は対象をつねに「いま」論じるべき意義から問いなおし、ポレミカルな批評=批判として表現してきた。 天皇制、フェミニズム、大学問題など、現在も紛糾する諸問題のアポリアを剔抉(てっけつ)してきた絓秀実の批評こそ、「いま」読みなおすことが求められている。事実、目下の難題を乗り越えようとする若い世代を中心に、絓秀実の評論は今まさに再発見されつつある。 そうした読者の期待に応えるべく、本コレクションは構想された。現在では入手困難となった『メタクリティーク』『複製の廃墟』『「超」言葉狩り宣言』をはじめとした10冊の単著にとどまらず、単行本未収録原稿からも複数厳選。多様なテーマから編んだ全2巻となっている。 外山恒一、吉川浩満、木澤佐登志、綿野恵太ら、絓秀実の思想に通暁した批評家や思想家、編集者などの特別寄稿を掲載。 ■第一章 文学のナショナリズム 文芸時評は「国民的象徴」である 再現の現前という虚構 言葉における夢と記憶 ファロクラシーの異化と同化 有機化=全体化の幻 「鬱」とナショナリズム ■第二章 性の隠喩、その拒絶 [稲垣足穂論]前衛と遅れ 性と死1 「喪失」の自明性──フェミニズムと文学 性の隠喩、その拒絶──中上健次の『紀州』以降1マイノリティーに「なる」こと──『中上健次発言集成』 クイアーな「快楽」を求めて──日本的美学とフーコー 「少女」とは誰か?──吉本隆明小論 俳句(=男性原理)におけるフェミニズムの系譜 津島佑子『光の領分』解説 アイデンティティ・ポリティクスの転移 ■第三章 天皇制という享楽 享楽と脱魔術化──見沢知廉『天皇ごっこ』 井上ひさしと天皇制──『紙屋町さくらホテル』をめぐって ■第四章 二重の闘争 二重の闘争──筒井問題と全共闘運動を結ぶもの 「こんなもの」に過ぎぬ読者と話者の関係──『女ざかり』(丸谷才一) 闘争としての「言葉狩り」──『水平運動史研究』(キム・チョンミ) マンガのゴーマニズム──『ゴーマニズム宣言』(小林よしのり) 「超」言葉狩り宣言 マイノリティ運動の「方向転換」を論ず──筒井康隆『文学部唯野教授』批判、その他 完璧な罵倒語は存在しない ■第五章 歴史/年 「(最後の)小説」は冷戦後をどう生きるか──「サリン―オウム」事件と大江健三郎『燃えあがる緑の木』 闘争という「社交」──「サリン―オウム」・言論・学生運動 メディアと「政治」 「歴史」を捏造する戦後民主主義──アイデンティティー・ポリティクスとイメージ批判 私が「それ」である──村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』 アジアは「もの」である 丸山真男という「呪物」──「戦後」を回避した戦後思想の首領 その「許し」に安堵するのは誰か──加藤典洋『敗戦後論』批判 江藤淳と「われらの時代」 「神の国」における民主的統治形態 当事者中心主義の彼岸 書物=文化の「崩落」 ■第六章 階級としての大学問題 教育の大衆化と大学 『学問のすゝめ』は大衆社会でも有効か? そのために死にうる「国家」 ゾンビの共同体 「金利生活者としての学生層 国民皆兵・家・義務教育 「男らしさ」のディレンマ ■第七章 風俗のポリティクス ファシズム・レトロ・ポストモダン 田中角栄と廃墟のコミューンへの欲望 「裸で出直す」倉田まり子のフェミニズム 家庭の崩壊が生み落とした豊田商事事件 阪神の優勝はフランク永井を自殺に追いこんだ ボーヴォワールとニャンギラス 土井社会党を再生させるたったひとつの方法 ナッパ服のプライドと国労分裂 ■商品情報 絓秀実コレクション2 二重の闘争──差別/ナショナリズム/1968年 発売日:2023年7月4日 価格:5,500円(税込価格/本体5,000円) 出版社:株式会社blueprint 判型/頁数:A5判/819頁 ISBN:978-4-909852-43-4

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