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絓秀実コレクション1 複製の廃墟──文学/批評/1930年代

5,500円

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思想や哲学、芸術など諸ジャンルを横断し、斬新な論考を多数発表してきた稀代の批評家、絓秀実。三島由紀夫や花田清輝らに関する初期文学論から、1968年をめぐる社会運動・政治思想論、さらには映画、歌謡曲、B級グルメなどの風俗エッセイまで、これまで絓秀実は対象をつねに「いま」論じるべき意義から問いなおし、ポレミカルな批評=批判として表現してきた。 天皇制、フェミニズム、大学問題など、現在も紛糾する諸問題のアポリアを剔抉(てっけつ)してきた絓秀実の批評こそ、「いま」読みなおすことが求められている。事実、目下の難題を乗り越えようとする若い世代を中心に、絓秀実の評論は今まさに再発見されつつある。 そうした読者の期待に応えるべく、本コレクションは構想された。現在では入手困難となった『メタクリティーク』『複製の廃墟』『「超」言葉狩り宣言』をはじめとした10冊の単著にとどまらず、単行本未収録原稿からも複数厳選。多様なテーマから編んだ全2巻となっている。 外山恒一、吉川浩満、木澤佐登志、綿野恵太ら、絓秀実の思想に通暁した批評家や思想家、編集者などの特別寄稿を掲載。 ■第一章 メタクリティーク(正しい表記はメに×) ナルシスの「言葉」──中上健次論 「母」の力──『鳳仙花』を読む 偶数と奇数──『千年の愉楽』を読む 家=系の破壊──小島信夫論 いろはにほへと──深沢七郎「みちのくの人形たち」を読む 倫理・教育・物語──尾辻克彦論 [大岡昇平論]言葉という影へ 母という歴史 ■第二章 青春の廃墟 「私小説」をこえて──小林秀雄と安岡章太郎 悲惨さの方へ──書くこと、そして読むこと、あるいは批評のためのメモ、ではなく...… [三島由紀夫論]死刑囚の不死 複製技術時代のナルシス [中村光夫論]リアリズムの廃墟 極言の言葉 [平野謙論]プティ・ブルジョア・インテリゲンツィアの背理 フィクションとしての人民戦線 「死者」の形而上学──昭和十年前後と戦後文学の「理念」 媒介者というファシスト/無媒介の運動──林達夫と花田清輝 先駆者・中村光夫 道化のような「死者」の肖像 ■第三章 書くこと=自己意識 自己意識の覚醒──昭和文学の臨界 [横光利一論]「純粋小説論」まで 『上海』まで 書く「機械」 探偵のクリティック──批評の系譜 貴種流離のパラドックス──磯田光一と「昭和」 柄谷行人──恋愛の主題による変奏 ■第四章 小説/ジャーナリズム 「純文学」をもこえて 現代小説の布置──「永山則夫問題」の視角から「メディア」が透明でなくなった時──ナショナリズムとジャーナリズム 異化するノイズ──中上健次『奇蹟』を読む 小説を書かない小説家──作家ビートたけしの諸問題 探偵=国家のイデオロギー装置 今日のジャーナリズム批評のために──小林秀雄と大西巨人 歴史修正主義の基本構造 ポスト「近代文学史」をどう書くか?──「元号」と「世代」をこえて 国民の「俗情」は「痛み」を回避する 「純文学」を必要としているのは誰か 「過激派」気質 「おばさん」という記憶/忘却装置──金井美恵子『軽いめまい』 田村隆一に逆らって 「文学場」の変容──「批評」と「研究」の闘争を提起する ■商品情報 絓秀実コレクション1 複製の廃墟──文学/批評/1930年代 発売日:2023年7月4日 価格:5,500円(税込価格/本体5,000円) 出版社:株式会社blueprint 判型/頁数:A5判/721頁 ISBN:978-4-909852-42-7

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